2012年04月25日
町のパン屋さん
沼津に100年近く続いているパン屋さんを御存知でしょうか?
私が子どもの頃からあり、つい最近、3代目のために店の作りもモダンになった。
今日はラッキーなことに開店してから今も現役で活躍をしているレンガ作りのパン窯を見せてもらう事が出来た。
パン職人の中山さんは84歳、昭和3年生まれの2代目である。初代は片岡春吉という方で明治30年本郷町生まれ。若くして製パン業界に入り、技術の研究や学校給食パンに力を注ぎ、日本製パン業界の功労者であったといわれ、韮山の反射炉に胸像まで建てられている。
片岡さんはパン祖と呼ばれている韮山にある江川太郎左衛門を崇拝していたことにも関係しているのかも。
2代目の中山さんは浜岡でパン屋をしていたが片岡さんに呼ばれて弟子入りをし、跡継ぎが戦争で亡くなってしまったために中山さんが2代目として継ぐことになったという。
片岡さん以来のパン窯で今も延々とパンを焼いているとは驚き。しかし、この窯で焼くのはイギリスパンとライ麦パンだけという。
何と言ってもイギリスパンが絶品!でかいっ!半分で330円
大きな窯の中は高さもあり、奥行きも深いため、一定の温度にするには40分ぐらい時間がかかるという。この型のイギリスパンが1回で38~40本が焼かれる。これだけ大きな窯で奥行きも高さもあるので、ここで焼かれるイギリスパンは絶品。
中山さん曰く、窯の温度と発酵をさせるコツは難しく、温度は手で感じながら焼き加減を調節するという。この窯で焼く直焼きは水分が飛んでこんがり焼かれるので本当に美味しいパンができる。
「電気の窯は誰でもできるが、このレンガ窯は大変だよ」という。また、パンを窯に入れる時や出す時にも使われるこの板の扱い方も難しいらしい。
このレンガ窯で焼かれるパンはイギリスパン限定です。皮のパリパリ感と香ばしさとしっとり感で、先代から続いている地元の常連客も多くいる。
いつも通っていたのに全然知らなかった「富士家パン」このイギリスパンの美味しさの秘密が今解き明かされたんだけど、この富士家の歴史はまだまだ解き明かされていない.。
何故韮山に胸像があるのか、太郎左衛門さんとはどのような関係であったのか、興味はどんどん湧いてくる。
パン職人の中山さんの長年の勘でこの窯でパンを焼いていると言っても過言ではないでしょう。このレンガ窯の扱いは84歳になった今も現役です。
こうして美味しいパンを提供してくださっているわけで、地元にこういうパン屋さんがあることは誇りです。現在は3代目も一緒にパンづくりをしている。