2011年07月18日
福島第1原発と浜岡原発
7/16(土)13:30~広瀬隆さんの講演会が清水町で開かれた。反原発を訴え、浜岡原発の危険性を訴え続けてきた方である。
会場は満員で、彼の話を一言も聞き逃すまいという熱気であふれていた。1943年1月生まれ
福島第1原発は収束に向かっているのではなく、手の施しようがない状況であり、政府も東電もその事実を隠しているという。いつまた大爆発を起こしても不思議ではない状態にあり、燃料棒ががれきのように崩れて取り出せないので、、数十年かかっても解決できる見通しはない。
New York Timesは1カ月前にこの事実を警告をしていた。メルトダウンした燃料棒はどこに落下し、どのような形状になっているのか、どこまで水があるのか、状況が全く不明で、何があってもおかしくないと既に発表していた。
いま、その収束に向けて、東電は頑張っているようだが、実は、不可能な事をあたかもできるように見せかけているだけという。その見せかけの行為自体、殺人行為であり、福島県民は即刻逃げるべきであるという。
1000年に1度の巨大地震と言うが、100年前1896年の明治三陸沖地震津波では、岩手県の沿岸では津波の高さ38.2Mが記録されている。今回、宮古市重茂半島で、38.9Mの遡上高さまで達し、想定外ではない。
浜岡については、5基すべてが停止したが、使用済み核燃料が原子炉建屋にある。これをプールから取り出し、臨界事故がおこらないように他の場所に移動しなければ、福島第1原発4号機が爆発したように危険は去っていない。私たちは今も地雷原の中にいるという。
安政東海大地震によって浜岡は津波が600M内陸まで押し上げたという。津波が遡上して砂丘を乗りこえたということ。
防護壁を作ると言っているが、その安全性には全く根拠がない。津波は後ろから次々と波が押し寄せてくる現象。巨大な体積をもった水の塊だから、壁の高さ、防潮堤の高さは関係なく、どこまでも乗りこえてくるという。
原子炉建屋は多くの断層の間に建てられている。(沼津市はこれは活断層ではないから大丈夫だと答弁しているが、この断層が活断層であるということは既に証明されている。)
原子炉建屋とタービン建屋は違う場所に建てられているので、断層で揺れが異なるわけだから配管は容易に破断し、冷却できなくなる。
浜岡原発が稼働しなくても電力は十分足りている。しかし、この事実が周知されずにいる。真夏の最大電力時でも賄うことができるということは実証済みである。
やはり、原発の安全神話が崩れた今、電気が不足し、経済が低下するということが、原発を容認する理由にはならない。本当に原発がなければ、電気は不足するのか。今でさえ、停電は起きていない。
原発に頼らない自然エネルギーに移行することは化石燃料が枯渇してい行く中で、自然の成り行きである。日本の場合、地震大国であり、阪神淡路大震災を契機に地震の活動期に入ったことで、原発による放射能汚染の被害は、日本の破滅的な問題であり、今、既に福島県で起きているのです。
チェルノブイリ事故から25年経過し、ロシア・ウクライナ・ベラルーシ3国の健康被害は700万人以上。ウクライナだけで事故の被害を受けた人は230万人に上がり、4400人の子どもたちが甲状腺がんの手術を受け、被害は今も拡大しているという。
放射能をもったヨウ素131は半減期が8日だから1カ月もすると、ほとんど消えると言っているがウソ。1カ月までに甲状腺に傷をつけてしまえば、その傷(がん細胞)は増殖して、5年後ぐらいから甲状腺がんとして症状に出るという。
妊娠中の女性は胎盤を通じて胎児の甲状腺にヨウ素を集め、胎児の成長ホルモンを作らせる。そして出産後、乳腺にヨウ素を集め、この母乳から放射能汚染が出るから、極めて深刻であるという。
今回の汚染問題は現状でも数十年を見て取り組まなければならないという。そして、広瀬さんは、福島県民に1日も早くその地を去るべきだと涙ながらに訴えている。
これは京都大学原子炉実験所の小出裕章助教授も同じことを国会で述べている。
これだけの危険性を科学的にも立証してきているにもかかわらず、何故、原発を廃止に向けての取り組みをしようとしないのか。
ヨーロッパでは事態の深刻さにドイツ・スイス・イタリア・が原発廃絶に向かい行動を取り始めている。原発大国フランスでさえ、77%が原発反対となった。当事者の日本は、ECRR(ヨーロッパ放射線リスク委員会)の報告書を発表しないのだろう。何故、私たちは本当のことを知らされないのだろう。
これは風評被害ではない。事実なのに、風評で抑え込もうとしているのは何故?
ECRRの予測では333万8900人が住んでいる福島原発から100キロ圏内では、19万1986人が今後50年間でがんを発症し、そのうち半数は10年間で発症、その数は10万3329人。
また787万4600人が住んでいる100~200キロ圏内では、22万4623人ががんを発症し、そのうち10年間に12万894人が発症と予測している。
お金に換算できぬ命の危険、それも一生、いや永遠に傷つけられた遺伝子は、つながり続ける。あなたの子どもがその危険に晒されるとしたら、どうしますか?それでも経済優先ですか?自分の家族だけは大丈夫だと高を括りますか?
こんなことを言う私たちを色眼鏡でみるのでしょうか?ではあなたは何者?
当たり前のことを当たり前に危ないということが、なぜ、一部の集団と決めつけるのでしょう。数の力で少数意見を踏みにじってきた結果が、今回の原発震災ではないですか?
あなたにとって本当に大事なものは何ですか?今、日本の国民全員がその課題を突き付けられています。
そして、福島県民は本当の闘いがこれから始まるのだということ。そして、それは明日は我が身だということを私たちは肝に銘じるべきだと思っています。