2012年01月07日
津波の避難路確保
4日から役所は仕事始め。昨日と今日と役所での仕事に向かう。
昨年に引き続いて市民から、「津波が来たら、その時はどこに逃げれば・・・避難路は?」そんな質問をよく受ける。
昨年の12月に津波ハザードマップが新たに完成。このマップは県の第3次被害想定と安政の東海地震による推定津波浸水域を基にしたもので、県の第4次被害想定が出るまでの暫定版だと言う。
例えば、狩野川を遡ってくる津波は第4小学校まで、およそ3キロぐらいまで遡上してくる。東日本大震災では6キロにわたって遡上してきている地域もあるなかで、こんな考えで本当にいいの?と言う声を耳にする。
特に市外の人からは「沼津は大変ねぇ・・・津波」とため息交じりに言われると、確かに返す言葉がない。
今日も不安を抱えた第4地区の方から避難路についての質問。久保公民館の脇の階段からそのまま香貫山に登れば、一番近くて安全な避難路が確保されるのではないだろうかというもの。
この先、10メートルぐらい上がれば、一時的な避難場所になる。ただ、そこまで行くには階段が整備されていないので、高齢者に取っては危険だという相談であった。
同じ香貫山といえども、この一帯は岩盤なので、地盤的には安定をしている。避難場所として、4小に逃げるより、よほど安全であるので、避難路の計画がないのだろうかというものであった。
そこで直接担当課へ市民が行き、その状況を聞くことになったわけだが・・・
曰く、「現在の想定では、その地域に津波は来ないので、避難路の整備の計画は全くない。想定にない区域は安全だとも言えるわけで・・・ そんなところに避難路のための整備をするわけにはいかない。もっと、防潮堤さえない地域があるわけだから、そこが優先であり、想定に含まれないところは計画には入らない・・・」と言うことであった。
だからと言って、その地区の住民の不安は解消されはしない。ただ、限られた予算の中での優先順位と言われてしまえば、致し方ないとするのか・・・
他にもこのような問い合わせが多くある。それと言うのも、東海地震が3連動地震になり、今その被害想定はもっと拡大してきている事が一因に挙げられる。
この津波ハザードマップは対象地域だけには配布されるというが、これも県の第4次被害想定が今年の秋頃までに出されれば、それまでの暫定的なものだと言う。
昨年の6月議会で、津波対策事業費として3000万円の予算で、避難地の確認と検証でコンサルの委託料として2750万円。
津波と地震の防災マニュアルの簡易版を作り、全戸配布する予算が210万円と言う説明を受けている。
今回のハザードマップ作成も予算の中に入っているわけだが、果たして第3次想定域を出ないマップに、住民は納得をするのだろうか。
想定域に入らないところは今のところ、安全だと思っていいと言われても、この東日本大震災の津波では、その想定を大きく覆された今となっては、不安はますます広がっている。
私の所には、お正月早々「津波対策に税金を使わずして何を優先するのか・・・」と言う苦言の電話もあり、住民の間には、危機感がもっと強いと感じている。
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また、放射能汚染による不安が、若いお母さんたちの広域的な連携に繋がり、いま活発になってきている。
福島をはじめ、全国の人が現実に直面している放射能の脅い。国は「直ちに身体への影響はない」と繰返すばかり。その根拠がICRP(国際放射線防護委員会)の勧告。しかし、今、それも科学的な根拠がないということがわかってきた。
ことごとく国や東電が公表する基準値は塗りかえられ、今は既にその信頼を取り戻すことは難しい。