2013年01月24日
視察3日目・愛知県岡崎市下水道料金改定
視察3日目は愛知県岡崎市。
ここは全国的に八丁味噌の産地として知られる。人口37.4万人の中核都市です。
市内を矢作川が南北に、乙川が東西に流れ、支流も数多く存在する。市の中心部には岡崎城があり、桜の名所としても有名であり、徳川家康生誕の地でもある。
広い河川敷きには、朝、散歩の方や生徒のランニング集団が行き交い、和やかな景観を呈し本当に住みやすそうなまちである。
今回、ここには下水道料金改定を行った経緯とその状況を伺うことが目的である。
市役所の玄関をはいるとコンビニがあり、休憩所も兼ね備えていることには驚き。
料金改定をした背景や料金値上げの根拠、市民への対応などを伺う。
まずは下水道普及率だが、愛知県でも最も高く85.9%。(全国平均は75.8%)
平成21年4月からの値上げだが、5年ごとの基本計画の見直しと同時に料金改定の見直しも行う。
今回の値上げは夫婦と子供二人の平均世帯では1カ月183円で7.9%up。最高は14%up。しかし、これも段階的に引き上げるという。
下水道の使用料単価:126円、汚水処理原価:128円と処理原価との差はあまりないが、沼津市の場合、使用料単価:72円/1立法m、汚水処理原価:177円と1立方m処理するのに、使用量の2.3倍100円も余分にコストがかかるわけで、使えば使うほどその処理コストが上がっていくわけで、赤字が膨らむのは容易に理解できる。
汚水処理原価177円の内訳=資本費(公債返済費)94円+維持管理費83円
この使えば使うほどコストが膨らむという逆ザヤ傾向をどう考えるのか。適正な受益者負担を考えると、資本費100%負担を目指す事が求められるわけだが非常に難しいのが現実である。
沼津市の場合、平成7年以降料金の値上げをしてきていないので、ここで改定をすることが目的でもあったようで、私の場合、それは視察中に気がついたわけで・・・
市民に料金値上げをお願いする前になぜそうなったのか、そうしなければならないのか原因究明をし、その理由を明確に市民に示さなければならないはず。
特に沼津市の場合、昭和42年から作った整備フレームで整備を始めたが、その着手や普及が遅れたために、単独浄化槽を設置した世帯が多く、今後、下水道や合併処理浄化槽に変更するには、各家庭の事情もあり、特に高齢世帯には大きな財政的負担もあり、難しい状況が控えている。こうして、普及率も低いが、水洗化率が低い理由は接続率が悪いために起きているわけです。
岡崎市は普及率も高いが接続率を上げる為にシルバー人材センターに委託し、2班体制で1件1件のお宅を8000件回り、個別接続指導をし、その実績を上げたという。
また、沼津市の下水道事業は毎年30億円からの赤字補てんをしていかなければならない状況をどう改善していくのか、事は料金値上げでは済まされない現実があるわけで、今後、当局が出してくる資料をもとに十分議会としても議論をしなければならないはず。
今回の視察の成果は、議論をするための問題点をたくさんもらい、その議論の経過を市民にきちんと公表し、理解していただけるように、議員としてもその説明責任は重い。
このような視察の機会を得たことに感謝し、沼津市にとって、開かれた議会を目指していくためにも微力ながら力を尽くしていきたい。