2013年08月06日
下水道料金の値上げ
第4回 沼津市水道料金、下水道使用料等審議会が8/5に行われた。(審議会委員出席12名/全14名)
審議会は今回で大詰めの集大成。つまり、どのくらい値上げをすればいいのかという委員一人ひとりの意見を伺う最後の審議である。
県下で最も安い水道・下水道料金だったはずの沼津市のその台所事情は火の車であった。
2010年に水道料金の値上げをするときに、これについては下水道料金には連動しないということを担当課は答えている。
しかし、その時はすでに下水道料金は、維持管理に関する累積赤字は膨らみ、貯金も底をつき、運営すればするほど赤字は膨らみ、借金は利息も含めると500億円以上に及んでいた。
この状況は一般会計(総務・民生・衛生・農林・商工・土木・消防・教育)の借金約720億円に肩を並べるほどの額である。
そして、18年間も値上をしてこなかった理由の一つに、昨年の9月議会で料金改定の指摘を受け、今回に至っているという。しかし、18年間も値上をせずに赤字を膨らましてきたことに議会の責任は重い。
審議委員は14名、そのうち女性は3名 日々の生活をやり繰りをする主婦の台所に正に直結する下水道の値上げ審議に、女性委員が2割と言うのも残念なこと。
そして、今回の値上げ審議に関しても、当局の示した値上率に関して、「1案(改定率52%)or2案(40%)どちらが適正でしょうか?」と実質的には投げかけている。
4回の審議会のうち私は3回傍聴させてもらったが、確かに委員たちは担当課の説明に対して、一生懸命理解をし、議論を尽くそうと思っている姿勢はうかがえる。
そして、担当課も資料の全てを提出し、なんとか議論が深まるような体制を作っている。
しかし、しかしである。抜本的な赤字解消に繋がっていかないのが、今回の下水道の値上げである。
維持管理に関する累積赤字を5年10年先には解消していきたいというだけのものである。これで、今までの借金が解決していくというものではない。(当局にはこの点を何度も指摘し、せっかくの機会であるから、もっと抜本的な議論に深めるべきだと要請はしたのだが・・・)
当局の示した資料:維持管理に関する累積赤字が、値上をすることで段階的に改善していくというもの。
(up side down)見やすくするためにグラフをひっくり返してみる。
青ライン1案(52%の値上げ)・赤2案(39.6%値上げ)
1案は平成30年に維持管理の累積赤字は解消。2案は10年後には解消されるだろうというもの。
結果として、審議会の出した値上げの改定率は1案ではなく2案を選択。問題の抜本的な解決には至らないが、これからは5年ごとに見直しをしていくことを前提にした案をまとめる方向。
この案を我が家の下水道料金で算定してみる。
現在55m3で4,155円。40%の値上げになるとすると5,805円。年間で9900円増額になる。
つまり下水道料金は年間24930円→34,830円の使用料になる。そして、また5年後には料金の改正になる。
あくまでも案ではあるが、住民にとって大きな負担に繋がってくる。
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下水道計画の歴史は余りにも深く、その時々の市長の政策方針で変遷をしてきたのだろう。そこを顧みずして、議会も当局も反省には至らないように思う。
しかし、この下水道事業の現実を少なくても14名の委員は受け止めたと思いたい。
全国的に深刻さを増している公共施設のアセット問題。
ハコモノ、上下水道・橋梁・道路等のインフラ、プラント施設の老朽化は深刻である。しかし、その問題さえ、沼津市はまだ全体的な取り組みにかかっていない。
今やっと下水道問題が議論の俎上にのったこの現実をどう受け止めるべきか。