2013年05月05日
美しい沼津の海と富士山
駿河湾には富士山がよく似合う。青い空とエメラルドグリーンの海原と富士山。こんなコントラストの景観を一堂に会することができるのは、沼津の抱える62キロという長い海岸線があるからこそ。
5月3日、静浦港~出港し、海から沼津市をみる今までとは全く違う視点からの機会を得る。
空は青く澄み、海は穏やかで、雲間から少しだけ富士山を垣間見ながら、改めて沼津の海岸線の美しさとその抱える問題の深刻さを認識させられる。
この海の透明度と美しい景観に思わず息をのむ。
小さな天然ビーチがあちらこちらに点在している。
家族連れや恋人たちに適したビーチ、マリンスポーツに適したビーチなど、その自然の景観であらゆるセッティングが楽しめそう。
この天然のビーチのすぐそばには「らららサンビーチ」という人工ビーチがある。
1991年に国の第5次海岸事業5カ年計画の乗って、翌年から平沢から事業整備着手し、1996年には第6次海岸事業7カ年計画に移行し、西浦漁港海岸環境整備事業の一環として人工ビーチの整備計画を行う。
海岸環境整備事業の総額は約30億円(H4~24)。
国・県が各9.5億円、起債(借金)8.5憶円、現金1億円。沼津市の負担はおよそ10億円になる。またここにはダイビング施設の計画もある。
この人工ビーチのすぐそばには養殖場がある。
この近海には日本の最北限に生息すると言われていた貴重な「エダミドリイシサンゴ」の群落があったのだが、その群落は水温の低下により崩壊され、その一部が残るだけとなっている。
しかし、実はその原因は海岸整備事業のために、微細な土粒子がサンゴに堆積し、サンゴにとって必要な受光環境を阻害し、生育環境を悪化させたのが主な要因だという説もある。
本来の整備事業の目的の一つには、サンゴを公開して集客を図り、フィシャーマンズワーフの要素も計画にはあったようだが、自らその可能性を断ってしまったということになろうか。
観光産業と自然環境の保全、地域振興は、まずはその地域の自然環境の保全に配慮することが前提であると思う。
確かに自然環境保全しながら、海域の適切な資源管理の仕組みや観光利用についてのルール作りが必要なのは言うまでもないことである。
今回は視察の一部について書いたが、これ以上に多くの問題点と可能性を秘めている状況を認識したことにより、また新たな課題と取り組む方向性をもらったように思う。
それにしても美しい沼津の海を目の当たりにして素直に嬉しかった。